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【オール早慶明】

20日は秩父宮ラグビー場で全早慶明3大学対抗戦を取材しました。

 

全慶大のFB栗原徹選手は、この試合を最後に引退。

しかし、引退したのは栗原選手だけではありません。

全早大LO吉上耕平選手、全明大のCTB高野彬夫選手も、この試合が最後のジャージー姿でした。

 

じんとくる試合でした。

 

全慶大の栗原選手は、全明大戦で先発。右隅からのキックを含め2度のコンバージョンをともにきっちり決めて交代。全早大戦では28分から出場し、残り2分、現役最後のボールタッチでトライを決めました! 

チームメートの喜び方、尋常じゃなかったな。それだけ後輩たちに慕われていたということでしょう。

このコンバージョンも成功。引退試合では100%キックを決めてくれたわけです。いつのほか現役復帰するまで、この記録は終わらないまま継続中、ということになりますね。

「中学高校のときは、和田(康二=清真学園中高からの同期で慶大監督)が『持ってる男』だったんです。和田が引退して、その運が僕に少し回ってきたのかな」

相変わらずの謙虚なトークは、もはや名人芸の域でした!

 

全明大の主将を務め高野選手も、全早大戦の残り0分、ゴール前右隅のモールを押し切り、押さえて自ら花道を飾るトライ。


「ホントはその前のモールでも、トライをとりたかったのですが、明治では最初にボールを持った人がモールではトライするまでボールを持っているという伝統があって……」

誰がグラウンディングするか、モールの中でつばぜり合いがあったようで、最初のモールではトライできず。仕切り直しのモールで見事トライを決めた、という流れでした。

 


そして全早大主将の吉上選手は、全明大戦の40分間出場。惜しくもトライはなかったけれど…まさしく吉上選手らしい40分間でした。

ボールキャリアの後ろを、まるで背後霊のように走り続け、コンタクトが発生したら間髪入れずクリーンアウト。ボールがでたらすぐさまブレイクして次のポイントへ直行。相手にボールが出ればキックチャージ。休んでいる間のないワークレートに、感動してしまいました。

全早大がノートライに終わってしまったため、得意のゴールキックを蹴るチャンスがなかったのが残念です。

 

栗原選手には清真学園時代から、慶大、日本代表、セブンズ日本代表、サントリー、NTTコム……本当にいろいろなステージで、すばらしいプレーをたくさん見せていただきました。

吉上選手は、早大では石川安彦選手、月田伸一選手、速水直樹選手というスター軍団と一緒の学年でしたが、いつでも一番ひたむきなプレーを続けて、気がつけば一番長く活躍してくれました。

高野選手は、明大が苦しんでいる時代のキャプテンでしたが、いつもプライドを失わず、明大のモットーである「前へ」を実現させようとしていた姿が忘れられません。

 

取材者として、ファンとして、嬉しかったのは、3人とも今日の試合を「楽しかった」と振り返っていたことです。

華麗なスピードスターにして、テストマッチ最多得点記録を持つ神業ゴールキッカー、。

目立たないところで地道な仕事を反復し続けるFWであり時々ゴールキッカー。

アタックでもディフェンスでも、常に最前線で頑健に体を張るタフな仕事人。

この日、3チームのキャプテンを務めた3人は、まったく別なキャラクターながら、ラグビーの3種類の「楽しさ」を象徴する選手だったかもしれません。

 

栗原選手はNTTコムのスキルコーチ、高野選手はクボタのテクニカルスタッフ、吉上選手は社業に専念しながらラグビーのサポートを目指すそうです。


(試合の後、慶大の和田監督が自分から進んで栗原選手とのツーショットを「撮りましょう」
中学1年以来の旧友に戻った瞬間でした!)

 

取材者としても幸せな1日でした。

本当に、お疲れ様でした!

 

そのあと、きょうミーティングがあったスクラム釜石の皆さんと高田馬場ノーサイドクラブにて合流したのですが……、ただいま富山県にそろって単身赴任中の石山さん泉さんが「そろそろ帰らないと…」 と席をたちかけたところへちょうどご来店したのが、東田哲也さんでした!

思わず「石山さんとは1983年のウェールズ以来ですか?」と聞いてしまいました^^

豪華な遭遇に、店内が盛り上がったのなんの!
夜まで幸せな1日でした!

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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