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【花園2回戦】
12月30日は僕の仕事納めの日。
大阪の花園ラグビー場で、全国高校大会2回戦の取材です。
シード校が登場し、日本のラグビー選手・関係者にとっては念願である「年越し」をかけた激闘。
朝の9時から夕方4時まで、花園の3つのグラウンドをフルに駆使して、16試合が繰り広げられます。
 
僕は、東京中日スポーツへの出稿が大きな役目なので、必然的に関東勢を中心にカバー。M記者と関東勢の試合を分担取材しながら、折を見て東北勢や全国的な注目チーム、個人的な注目チームを取材するというのが例年のスタイルです。
 
まずは朝9時から、第3グラウンドの茗渓学園vs鹿児島実へ。
鹿実には、セブンズ日本代表入りも果たしている聴講高級の大型高速FB桑山聖生選手がいますが……茗渓は堅いディフェンスで鹿実を完封、39-0で完勝しました!
茗渓は桑山選手を徹底的にマーク。グラウンドでは「桑山見た!」「桑山!」の声が、ほぼ途切れることなく響いていました。
「試合で、これだけ自分の名前を呼ばれたのは初めてです」と桑山選手は悔しそう。

対する茗渓の福田健太主将は
「高校代表の合宿で、桑山のすごさはよく分かっているから、それを仲間に伝えて対策をたてました」と会心の表情でした。
桑山選手は早大に進学。福田選手は明大に進学します。
今季はそろって年を越せずに敗れた早明両校に、新しい風を運んでくれるでしょうか?
 
茗渓&鹿実の取材を終えて、第1グラウンドへ戻ると、事件が起こっていました。
Aシードの国学院栃木が、大分舞鶴に19-31で敗れる波乱が起きたのです!
 
僕は最後の1分くらいしか見られませんでしたが、前半から、何かよそ行きというか、地に足がついていないというか、いつもと違う戦いぶりだったそうです。
Aシード、第1グラウンドの第1試合、しかも相手は全国制覇の経験もある名門・大分舞鶴。
「チャレンジャーなのに、横綱でも何でもないのに、横綱相撲をとっちゃったのかなあ」と吉岡監督は天を仰ぎました。
「すごく勉強になりました」と話してくれたのは、1年前までNECの主将だった浅野良太さんです。
今春から国栃の教員兼コーチとなっていました。
元釜石の長山時盛スクラムコーチとともに、FWをしっかり強化したのですが……
「いろんな、複合的な要因があるんだと思う。16-18歳の選手たちには絶対的に経験値が不足しているんだから、そこに気づかせてやれなかった我々コーチ陣の責任です」(浅野コーチ)
だけど、1から10まで「こうだからこうしろ」と言って済むわけではありません。
選手が出会う可能性の高い難局に、自分で考える力を付けさせながら、対策と心の準備を整えさせる――言葉にするのは簡単だけど、実戦するのは本当に大変そうだなあ。

浅野さんは言いました。
「僕のラグビー人生で、ゼッタイに忘れられない試合のひとつになりました。今の時点では、間違いなくこれまでで一番忘れられない試合です」
この経験が、指導者人生をきっと深みのあるものにしていくことでしょう!
 
その他の関東勢の成績です。
国学院久我山 44−0日本航空石川
流経大柏 10−7 石見智翠館
明和県央 34−19 高鍋
大阪桐蔭 34−7 深谷
東海大仰星 31−12 東京
 
流通経大柏は、終了わずか1分前の劇的逆転トライでの決着でした。
あと一歩で、金星をさらわれた石見智翠館も、最後まで立派でした。胸があつくなる場面でした。
 
慶応高の戦いぶりは、松岡修造さんの甥ということもあって注目されている辻雄康(たかやす)選手を中心に、あす31日の東京中日スポーツでレポートしています。どうぞお楽しみに!
 
東福岡の応援に、藤田慶和選手の姿がありました。
この日は、弟の藤田達成選手もLOで出場。
191センチの長身でよく走り、この日は60分フル出場してアグレッシブな攻守を見せていました!
お兄さんを越える選手をめざしてください!

(左が弟の達成選手、右が兄の慶和選手です!
時間に余裕ができた(できてしまった)のでしょうか?】

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  • プロフィール

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    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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