ツールドラグビートップへ

【脊髄損傷から復活した元高校ラガーマン、富士山に挑戦!】
19日は、東京都江東区にある脊髄損傷者専門トレーニングジム、ジェイ・ワークアウトへ。
高校1年の時、ラグビーの試合で脊髄を損傷し、医師には「一生歩けない」と宣告されながら、受傷8ヶ月後に杖を突いての自力歩行で学校生活に復帰、11月には車いす生活を卒業……という奇跡的な回復を遂げた杉原紘人さん(20)が、自力歩行で富士登山に挑むという、壮大なプロジェクトの発表会見に行ってきました。
 
杉原さんは、横浜市の谷本(やもと)中のラグビー部でラグビーを始め、東京の豊島学院高校に進んでもラグビー部へ。高1で先輩を押しのけてSHのポジションを掴み、1月、SHで出た練習試合で脊髄を損傷したそうです。
当初は、腕を上げる動きはなんとかできたものの、指は動かず、下半身はまったく動かなかったといいます。医師は、「一生車いす生活になると思った方がいい」と、あえて厳しいことを言ったのでしょうが、告げたそうです。
しかし、5月に脊髄損傷者専門トレーニングジム、ジェイ・ワークアウトに通い始めてから徐々に機能が戻りはじめ、夏休み明けの9月には専用の杖を2本使ってとはいえ、自力で歩けるまでに回復し、復学を果たします。
 
その後、自分が歩けるようになったことで、同じ障害に苦しむ人にも「歩けるようになる可能性はあるという希望を届けたい」という思いで、富士山登山にチャレンジすることを決意。
昨年3月、手始めに高尾山に登り、5月に陣馬山に登り、「しんどかったけど、自信がついた。どこを鍛えなきゃいけないかが分かった」と手応えを感じ、今年の夏の富士山チャレンジを改めて決定。登山に備えたトレーニングに重点的に取り組み(登山道にバリアフリーという概念はありません。段差にムラのある階段もあり、細かい凹凸もあり、足下のバランスを崩す浮き石も多い。脚を持ち上げるのは、歩行するだけでも簡単ではない障害を負った人にとって大変なことでしょう)
トレーニングに通い続けるジム、ジェイ・ワークアウトのスタッフを中心に実行委員会が結成され、この日の会見になりました。

 
「僕が登山することで、脊髄損傷は治らない、回復しない、という考えを変えられるといいなと思うんです」
杉原さんの言葉は力強かったなあ。(あいさつ中、杖は浮いていました。つまり、受傷当初はまったく動かなかったという障害のある両足だけで立っていたわけです!)

僕は気仙沼高校時代に山岳部にいて、学生時代は北海道の知床にこもって、山登り沢登りに熱中しました、現在はラグビーの世界で仕事をさせていただいており、杉原さんのチャレンジする2つの世界とちょうどクロスしているというか、両方の魅力と厳しさを、ある程度は想像できると思うのですが、とにかく、とても魅力的な若者でした!
 
ラグビー界では、あまり大声では語られませんが、脊髄、頸椎に関するケガは少なくありません。(実際は、他のスポーツでも少なくないし、脊髄損傷の原因として最も多いのは交通事故らしいのですが)
でも、僕がこれまで取材した人では、頸椎損傷から手術を経て復活を果たした後藤翔太さん、今年のワールドカップにいい状態で挑むためあえて手術を選択した堀江翔太選手、高校時代のラグビーのケガで車いす生活になりながら、ウィルチェアラグビーで日本代表となり、ロンドンパラリンピックで4位、現在はコーチ兼任でリオのメダル獲得を目指している三阪洋行さん……不思議と、なんていったら不謹慎かもしれませんが、みなさんものすごくまっすぐなポジティブさを持っています。杉原さんからも、似た陽性のエネルギーを感じました。



(トレーニングの様子も見せていただきました)
 
杉原さんのチャレンジの過程は、下記のyoutube映像にまとめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=dTHN0nSbYNY
杉原プロジェクトのHPはこちらから。
http://sugiharaproject.businesscatalyst.com/
 
同プロジェクトでは、杉原さんへの応援を募集しています。


プロジェクトに参加しているメンバー、団体のみなさん。着ているのは「チャリティTシャツ」上記HPで販売しております!
一般の方は、
1)特設facebookページに「いいね!」
2)特設ウェブサイトにて「応援メッセージ」を送信!
3)特設ウェブサイトにて「チャリティTシャツ」を購入!
企業・団体の方には
  • 登山ウェアやリュックなど、登山用装備のご提供
  • 登山やトレーニング用の飲料やエナジーフードのご提供
  • プロジェクトのフライヤー設置スペースのご提供
などのご協力をお願いしていますとのことです。
 
ラグビー好き、山好きのみなさん、杉原さんへの応援をお願いします!
 
【震動=健康?】
この日の会見を聞いていて、とても興味が湧いたのが、杉原さんの機能回復に大きな役割を果たし、現在もトレーニングに活用しているというトレーニングマシン「パワープレート」です。
いただいた資料では「3次元の高速振動が重力加速度を人工的に増幅した状態で全身をバランス良く刺激」とありました。スポーツ界では、サッカーの鹿島アントラーズが早くから採用、ラグビー界でも導入しているチームが増えているそうです。3次元の(つまり縦横斜め、いろいろな方向への)細かい震動が、全身の細胞を活性化し、細胞を破壊する活性酸素を除去する、実際に脂肪肝を減らしたり、歯周病の予防などの効果が出ているのだそうです。


まあ、このあたりは、パワープレートを販売している会社の社長(御年80歳とは思えないほど若々しく、姿勢も素晴らしい女性です!上の集合写真で左から2人目です)のお話の受け売りなのですが、「なるほど」と思ったのは、自転車に似てるんじゃないかな、と思ったからです。
自転車愛好者にはほんとうに健康な人が多いです。必ずしも足が太くなったり、筋力が強くなったりするわけではないけれど、僕の知っている自転車仲間はほとんどが病気知らず。
中には、ガンで余命数ヶ月という宣告を受けながら、自転車に乗っているウチにガンが消えてしまったという人もいます。
自転車の効果は「心肺機能」と「新陳代謝」のせいだと思っていたのですが、それだけじゃガンが消えたりするのは説明できないな……と思っていたのですが、そこに「震動による細胞の活性化・活性酸素の減少」といった要素もあるのだとしたら……。
 
杉原さんの話とは離れてしまうけれど、自転車と健康の関係は、これまで思っていたよりもずっと深いものかもしれないなあと思ってしまいました。
 
というわけで、冬の寒さ&花粉&ここ数週間のハードスケジュールで、最近はあまり乗れていなかったけれど、自転車ライディングをそろそろ復活させなきゃな、という思いを新たにしました。
まずは空気をカチカチに入れ直して、ね。
 
杉原さんのストーリーは、ここに紹介できなかった秘話も含めて、ちかいうちに東京中日スポーツで紹介しようと思います! 

 
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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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