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  • 【文部科学白書に宮城中学選抜ラガーマンの答辞が全文掲載】

    ちょっと遅れましたが、いいニュースです。

    8月23日、今年9月に発行される文部科学白書の内容が公表され、今年3月、津波で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市階上(はしかみ)中学校の卒業式で、卒業生代表の梶原裕太くんが読み上げた「卒業生 答辞」が全文掲載されることが分かりました。

    ↓毎日新聞の記事です。

    http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110823k0000e040020000c.html

    同校では、震災の翌日、12日に卒業式が予定されていて、下校した3年生3人が津波に呑まれたといいます。

    卒業生代表の梶原くんは、予定から10日遅れ、震災から12日目の3月22日に行われた卒業式で、震災を受けて書き直した答辞を読み上げたといいます。

    溢れそうになる涙をこらえながら「天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていく」と、未来へ向かう決意を誓ったこの答辞は、ニュース映像がyoutubeなどのネットに紹介され、世界中に感動を与えました。

    梶原くんのあいさつを一部抜粋します。

    「天が与えた試練というには、むごすぎるものでした。つらくて、悔しくてたまりません。

     時計の針は14時46分を指したままです。でも時は確実に流れています。生かされた者として、顔を上げ、常に思いやりの心を持ち、強く、正しく、たくましく生きていかなければなりません。

    命の重さを知るには大きすぎる代償でした。しかし、苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていくことが、これからの私たちの使命です」

    (全文を掲載した地元紙『三陸新報』より)

    『文部科学白書は、文科省の施策を紹介するために毎年刊行されている。答辞は震災対応について報告する特集の中で掲載。中学生の文章が白書に全文掲載されるのは異例だが「被害現状のまとめや数値では伝わらないことを、梶原くんの答辞が伝えてくれると思って取り上げた」(同省)という』(同、8月27日付け紙面より)

    youtubeURLを掲載しようと思いましたが、著作権の関係で投稿と削除が繰り返されているようです。「梶原裕太 youtube 答辞」で検索すれば、きっとヒットすると思いますので、よかったらトライしてください。きっと見られます)

     

    (梶原くんの卒業した階上中のある気仙沼市階上地区の今年8月の様子です)

    この梶原裕太くんは、ワールドカップ日本代表のプロップ畠山健介選手を輩出した気仙沼市の鹿折(ししおり)少年ラグビースクールに中3まで在籍していて、昨年の東日本中学生ラグビー大会の宮城県ジュニア選抜にも選ばれたラグビーマンです。

    梶原くんが卒業した階上中学校の卒業生には、中学1年で「平尾プロジェクト」合格、仙台育英で2年連続花園ベスト4の主力で活躍し、高校日本代表、大東大で学生日本代表に選ばれた日本IBMのCTB/FB畠山健(たけし)選手もいます。

    大震災に屈せず、恨まず、前向きに生きていこうという力強いメッセージを震災直後に発し、世界に感動と勇気を贈った中学生が、ラグビー少年だったことに、ラグビーに携わる一人として深く感謝し、また誇りを覚えます。

    梶原くんは一関高専へ進学、プログラマーを目指しているそうです。

    前途に祝福あれ!

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  • コメント

    素晴らしい。
    天を恨まず、運命に耐え、助け合う、
    わたしも生き方を変えてみたくなる言葉でした。
    • ruuu
    • 2011/10/22 12:39 AM
    NHHのドキュメンタリーで、高専に進み「防災システムの開発」に取り組んでいることを知りました。目的・目標を持って勉学にいそしむこと、素晴らしいと思います。期待しています。
    • 荒木茂 
    • 2011/12/28 7:57 PM
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    プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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