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【サンウルブズ。キングズに大敗】

サンウルブズの国外初勝利は残念ながら幻と消えました。

シンガポールで行われたキングズ戦。

昨年17位のキングズは、18位だったサンウルブズにとって、絶対に勝たなければいけない相手。しかも、南ア勢がそろって大苦戦=サンウルブズが有利に試合を進めてきたシンガポールでの対戦。

サンウルブズの勝利を期待したくなる要素はホント、たくさん揃っていたのですが……

残念ながら負けてしまいました。

前半は開始1分、SH田中選手のオフサイドから先制PGを許し、14分には攻め込んだところでボールを失い、一気のトライを許します。

トライを返しても、すぐに点を取り返され、結局23-37の大敗でした。

サンウルブズにとっては本当に悔しい負けですが、試合を見ていて感じたのはキングズの集中力です。

前半を見ていたときは「サンウルブズは50点取って勝つかも」と思いました。

キングズは、個々の選手のポテンシャルは高いけれど、チームとしての練度も低く、反則しないというディシプリンも高くないことが見て取れました。

 

ただ、サンウルブズに対して上回っていたのは「ひたむきさ」言い換えると切実さ。

 

スーパーラグビーは、来年2チーム減らそうという案がささやかれています。

サンウルブズとジャガーズは、そこそこの結果なり観客動員力なりを残しているし、SANZARの世界戦略を考えれば、新たに参入した日本とアルゼンチンのチームは残した方が良かろう……ということで、南アとオーストラリアから1チームずつ削減しようかという案がささやかれています。その流れで言うと、キングズは消滅の危機に瀕している最有力候補です。

そんな下馬評を裏付けるように、キングズにはスプリングボクスなどトップレベルの経験を積んだ選手がほとんどいません。上位クラブで契約してもらえないピークを過ぎたベテランや、まだ実績を作れていない若手がほとんど。

ところがそのチームが力を発揮したのです。

 

これは、去年のサンウルブズが持っていた武器です。

 

昨年、サンウルブズに参加した多くの選手から聞かれたコトバが「サンウルブズがなくならないように」というものでした。

発足1年目、どうなるかもわからないサンウルブズが、なくならないように、去年のサンウルブズの選手たちはすべての試合であきらめを知らないパフォーマンスを見せました。

今年のサンウルブズにそれがないかどうかを決めつけるつもりはありませんが、間違いないのは、この日の戦いではまさにその点で、キングズが上回っていたということです。

キングズは、前半のうちにSHを2人とも負傷で失うという非常事態に見舞われながら、ひたむきな姿勢で闘い続け、攻守の両面でハンディキャップを感じさせず、勝利を掴みました。本当に祝福したいと思いました。選手個々の能力を足し算したら、間違いなくサンウルブズが勝っていたと思います。その状況で試合には勝つ。敵ながら、キングズはカッコ良かったです!

僕も立場上、サンウルブズを応援していたけれど、試合の途中から「キングズの方がかっこいいな」と目移りしてしまったことを告白します。

 

サンウルブズは、シンガポールの試合後、リカバリーの間もなく南アに向けて旅立ちました。とてつもなくタフな日程です。選手のみなさんも大変でしょう。でも、ここから始まるタフなツアーが、実り多きものでありますよう、お祈りします。

 

キングズおめでとう。サンウルブズには巻き返しを期待します。

余裕はもうないですが……。

 

福岡選手、スーパーラグビー初トライおめでとう!

いいランは見せたけれど、ボールを持つ機会は少なかったなあ…

 

 

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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