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【府中ダービー&NEC釜石】

酷暑の週末。

金曜日は毎夏恒例の府中ダービー、東芝グラウンドで東芝×サントリーのプレシーズンマッチ。そして土曜日は、いろいろあったけれど、我孫子でNEC×釜石シーウェイブスのプレシーズンマッチを取材しました。

 

金曜日は東芝×サントリー。

東芝が24-0で快勝しました。

東芝は開始2分、互いに攻め合ってのノーホイッスルでLO松田選手が先制トライ。

直後にサントリーも相手陣でボールを継続し、WTB長友選手がトライ寸前に迫りますが、FB宇薄選手が猛烈なバッキングアップで間一髪、タッチインゴールへ突き出します。素晴らしいトライセービングタックル!

その後も、サントリーはWTB松井千士選手のみごとなターンオーバーから東芝ゴール前に攻め込むなど猛攻を見せますが、東芝のディフェンスは崩れない。ディフェンスのプライドを感じました。

「相手をゼロに押さえることは意識していた」とキャプテンのCTBカフィ選手。

後半も開始直後にWTB石井選手がトライ。これで東芝に流れが傾きましたが、サントリーもやられっぱなしではありませんでした。

8分、トライ体勢に入った東芝FL山本紘史選手をタッチインゴールへ突き飛ばしたFB竹下選手のタックルは素晴らしかった!

 

とはいえ、この日の80分間を総括すれば、やはり東芝デー。

印象的だったのは、ルーキーCTB中尾選手です。

鹿児島大出の1年目。昨年の全九州×同志社の試合で活躍し、トップリーグの数チームから声がかかった中から、高校(長崎北陽台)の恩師・品川英貴先生の古巣である東芝を選んだとのこと。

「教員になりたくて、鹿児島大に行きました。トップレベルではプレーできませんでしたが、自分たちで練習を考えたり、教職をとるためにかなり大変な中で練習時間を作ったり、グラウンド以外ではすごく役に立つ経験を積めたと思う」

東芝というトップチームでの毎日は

「毎日毎日、練習でも何でも圧倒されてます」といいますが、何の何の、落ち着いたプレーぶりで、トイメンのカーペンター選手にもまったく負けていませんでした。

「ここにきてから、どんなときも常にトイメンも周りも自分よりはるかに凄い選手ばかりですから、特に違いはないです」

大野選手といい、この試合で先制トライを決めた松田選手といい、梶川選手といい、去年ブレイクした松岡選手といい、大学時代は無名の選手が活躍する東芝の伝統は生きているようです!

東芝は会社が苦境にありますが

「僕らはラグビーで明るい話題を届けることしか出来ませんから」と、大野選手。

こういうのも、東芝らしいな。

 

そして、東芝&サントリーの面白いところは、プレシーズンマッチを毎年2回やること。

次は8日、サントリーグラウンドでの対決です。

どんな試合になるのか、ますます楽しみです!

 

【釜石×NEC】

そして土曜日はNEC−釜石シーウェイブス。

15時キックオフという厳しい暑さの中で試合は始まりました。涼しい釜石から来たシーウェイブスにとっては過酷なコンディションでしたが、シーウェイブスが大健闘。

前半はFL木村選手のチャージからのトライ、モールを押し込んでのフッカー中村選手のトライで12−12の同点で折り返し。

後半も25分まで同点で戦いました。

もっとも、NECは、互いにメンバー交代が進んだラスト15分に3トライ。トップリーグのプライドと層の厚さを見せつけて、31−12で勝ちましたが、シーウェイブスもいい戦いぶりだったと思います。

 

釜石では、46歳の伊藤剛臣選手はこの日も先発出場して、タックルにラインアウトにブレイクダウンにフル回転。

そして後半は、新加入が発表されたばかりの、身長200センチのステファン・ルイス選手に交代。

「火曜日に来日したばかりで、釜石に行ってからここに来たよ。すごいスケジュールだね」と笑いましたが、身長を確認すると「正確には201センチなんだ」

この身長になっても1センチにこだわるの? と笑っちゃいました。

ともあれ、186センチの大型SHスコット・ゲイル選手も含めて、今までとはスケールが違う超大型選手が加わったシーウェイブス、楽しみです!

 

もうひとり、「四ノ宮マイケル」という名で再デビューを飾ったのが、旧名マイケル・バートロケ選手でした。

昨年2月に、学生時代から交際してきた四ノ宮ゆきさんと結婚。このほど日本国籍も取得しました。それで外国人枠を外れるかというと、いろいろ規定が変わったりして難しいようですが……

「今年は1月から6ヵ月、NZに留学してきて、改めて自信をつけました。外国人としても試合に出られる自信はある」とマイケル選手。

今年のシーウェイブスは楽しみが多くなりそうです!

この日も釜石応援団は猛暑の中を集結!大漁旗を振りまくっていました!

 

【クルセーダーズおめでとう!】

そして、スーパーラグビー決勝。

素晴らしい試合でした!

クルセーダーズが前半、そつなく2トライをあげて12−0と先行。

ライオンズはヤンチース選手がPGを返して12−3としますが、前半38分にFLスミス選手が危険なプレーでレッドカード。

以後の40分強を1人足りない状態で戦うことになり、後半12分にはクルセーダーズが25-3までリードを広げますが、標高の高いヨハネスブルクだけに、ラスト20分はライオンズが猛烈なカムバック!みごとな戦いでした。

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そしてクルセーダーズは、2008年以来、9年ぶり、最多8回目の優勝。

クルセーダーズのみなさん、おめでとうございます!

4月にサンウルブズの試合で行ったときも、本当に隙のない、特別なことは何もないけれど、正確なプレーを組織的に遂行し続ける意識と精度の高さに感動したことを思い出します。

そして、2011年の震災。ワールドカップの時、震災9ヵ月後のクライストチャーチを訪ねたときのことを思い出します。

クルセーダーズ、今回は、2011年に震災に見舞われて以降は初めての優勝です。

クライストチャーチのみなさん、おめでとうございます!

これは、ほぼ同じ時に震災に見舞われた東北の人たちにとってもうれしいニュースですね。

次は釜石! ですね!

 

 

 

 

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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