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【ラグビー週間!】

日本代表英国遠征から戻って1週間は怒濤のように過ぎました。

サンウルブズの2019スコッド発表、日本代表の総括会見、早明戦に向けた取材があって、いろんな締め切りがあって、時差に苦しみながらそれを片付けて……ようやく迎えた週末は、1年でも最も試合が集中したんじゃ? と思うようなビッグマッチ集中ウィークでした。

 

まずはトップリーグ。

1日から順位決定トーナメントでした。

まずは1-8位トーナメント。

サントリー 28−26 クボタ

ヤマハ発動機 33−21 NTTコム

パナソニック 27−31 トヨタ自動車

神戸製鋼 63−27リコー

 

僕は1日、秩父宮でサントリーvクボタを取材しました。

クボタの後半の猛反撃はすごかったな。あと2点届かなかったけれど、前半にちょっとイージーな失点が多かったかも。

とはいえ、クボタの応援団がものすごかった。秩父宮がオレンジに染まっていました。

「嬉しかったですね。会社はこれまでもずっとバックアップしてくれていたのですが、今シーズンは勝ってきたことで、よりたくさんの方が応援に来てくれたんだと思います」

と立川キャプテン。クボタはカップ戦でもプールCで神戸製鋼、ヤマハ発動機を破って1位通過しています。上位の顔ぶれが固定して久しいトップリーグに、新しい風を吹かせてくれるでしょうか?

サントリーは、やぱりジャパン組が少し疲れてる感じに見えました。

そして2日のパナソニックvトヨタ自動車、サントリーとともに、現ジャパンに多くの選手を送り込んでいるパナソニックがトヨタ自動車に27−31で敗れました。

トヨタも姫野選手、茂野選手というキープレーヤーが遠征帰りなので、イコールコンディションではあったのですが、パナはジャパン組以外でもSOバーンズ選手、HO堀江選手、SO山沢選手を故障で欠いていたのが響いたようです。

パナがトップリーグで4強から漏れたのは三洋電機時代の2006年度以来12年ぶりです。

 

リーグ戦の順位で下位が上位を倒したのは、このトヨタvパナのみでした。

 

そして、4強に残った東日本勢はサントリーのみ。あとは静岡のヤマハと、愛知のトヨタ、兵庫の神戸と、関西勢が3枠を占めました(静岡のヤマハを「関西」に数えるのは違和感があるかもしれませんが、ラグビーでは静岡県も関西協会の管轄となるのです…)

これはトップリーグ発足後は初めてのこと。旧全国社会人大会時代の1999年度に、4強がトヨタ自動車、神戸製鋼、ワールド、NECという顔ぶれになって以来のことです。

トップリーグのタイトルは、初年度の2003年度に神戸製鋼が手にして以降はずっと東日本勢が独占してきました(東芝府中/東芝、サントリー、NEC、三洋電機/パナソニック)。神戸製鋼の奪回なるか、あるいはヤマハ/トヨタが初タイトルを獲得するか、それともサントリーが3連覇を達成するか?

 

そして9-16位トーナメント

NEC 43−17 コカコーラ

キヤノン 51−17 豊田自動織機

東芝 48−26 日野

ホンダ 38−34 サニックス

 

優勝をかけた1−8位トーナメントとは異なり、こちらは「入れ替え戦回避トーナメント」。この1回戦は、シーズン他の試合にすべて負けてもこの1戦だけ勝てば入れ替え戦を回避してTLに残留できるという、ちょっと特別な試合でしたが……リーグ戦で下位だった側が勝ったのは、白組7位だったキヤノンが赤組6位の豊田自動織機を破った1試合のみ。とはいえ、キヤノンは白組で勝ち点12をあげていて、赤組で織機があげた12点と勝ち点は同じだったので、これは番狂わせとはいえない気がします。

 

とはいえ、リーグ戦で4位争いをしてギリギリ届かなかったチームと、全敗でリーグ戦を終えたチームが、イコールコンディションで入れ替え戦回避をかけて戦うというこのレギュレーションは、やっぱり強烈に違和感があります。

私案ですが、たとえば、8チームずつのリーグ戦で上位と下位に分かれたら、勝ち点は持ち越したまま、上位は上位同士、下位は下位同士で、反対側のプールのチームと残り試合を行い、トータルの勝ち点で順位を決めるのはどうでしょうか。いまの試合数よりも1試合増えますが、この方がより、シーズン全体を通じて発揮した力が反映されると思います(以前のフランスリーグでこのシステムがとられていたと記憶しています)。もちろん、ファイナルはファイナルで行った方が大会自体は盛り上がると思いますが。

あと、今のシステムだったら、入れ替え戦4試合は多い気がします。それより3試合にして、下位に回った4チームのうち1チームは入れ替え戦を回避できるようにした方が、順位戦が最後まで盛り上がると思います。昇格を目指すトップチャレンジも同様で、入れ替え戦に進める枠をひとつ減らしたら、今行われている第2ステージももっと白熱するでしょう。今季はW杯特別措置で自動昇降格はありませんが、最終節に「上は自動昇格を、下は入れ替え戦進出を」かけた試合になれば、それは白熱すると思います。

まあ、現状では2020年以降のトップリーグのフォーマットもまだ示されていないので、チーム数がどうなるかもわからないのですが。

 

そして大学ラグビー。

帝京大は筑波大を破って対抗戦8連覇達成、おめでとうございます!

そして早明戦は、早大が明大を31−27で破り、こちらは創部100周年を飾る8年ぶりの対抗戦制覇。おめでとうございます!

大学ラグビーらしい白熱した試合でした。

この結果、大学選手権の組み合わせも決まりました。

対抗戦1位の帝京大、2位の早大、リーグ戦1位の東海大、関西1位の天理大はシードされて準々決勝からの出場。対抗戦3位の慶大が3回戦で関西3位の京産大と、対抗戦4位の明大は関西2位の立命館と、リーグ戦2位の大東大は対抗戦5位の筑波大と、リーグ戦3位の流経大は1回戦から勝ち上がった福岡工大と対戦します。

 

これも、なんか、試合数が少ないなあ。

大学選手権は、2015年度まで、2次リーグとして、16校が4組に分かれて総当たり戦を行って、そのあと4強がトーナメントを行う方式でした。1敗したチームが諦めずに戦ってプール戦を逆転で通過するなんてドラマもありました。しかし「大差の試合が多く、費用がかかりすぎるのに割が合わない」ということで2016年度から大幅に試合数が減らされたのです。大学選手権の試合数は、それまでの30試合から13試合にまで大幅に減少されました。優勝するチームの試合数は(3回戦から登場する場合)従来の5試合が3試合にと、2試合減りました。中位チームの場合、リーグ戦で3試合していたのが、1試合やって終わりというパターンになってしまいました。

これも勿体ないと思います。

「大差の試合が多すぎる」のは、チーム数が多すぎて実力にばらつきがありすぎたからだと思います。

ここでも対案を考えて見ました。

現在の大学選手権に駒を進めているのは、1、2回戦で敗退した北大、朝日大を除く12校です。それ以前の16校から4校削減されました。そもそも4校削減されれば、大差の試合は減るはずです。

そこで、4校×3組でプール戦を行うこととします(シード順、組み分けは置いておきます)。そして各組1位と、勝ち点等でえらんだ「ベスト2位」のワイルドカードを1校選ぶ(組み分けによって有利不利があるのは否めませんが、そこは工夫しましょう。セブンズでもやっている手法です)。この計4校で準決勝を行う。出場チームから見た試合数は2015年度までと同じですが、大会の総試合数は23試合に抑えられます。従来規定ではプールから1校しか上へ行けなかったけれど、これなら、プールで1位になれなくても、諦めずに残り2試合をしっかり戦えば上へ行ける可能性が開ける。選手のモチベーション、それによる強化の効果も考えれば、費用対効果、元は取れると思います。

今のままでは、大学のトップ選手の試合数が少なすぎる。

早明戦だけ見ても、早大の齋藤選手や中野選手、岸岡選手、明大の福田選手、山村選手など、もっと上のレベルを早く経験してほしい逸材、才能はたくさんいました。

トップリーグでは、とりあえず今年の試合に勝つための臨時雇用選手が大量に来日して生まれていますが(2ヵ月の契約でいくら支払われていることやら…)、国内でラグビーを始め、たくさんの指導者のサポートで育ってきた選手を、より大きく育てて、世界へ羽ばたかせることこそ、日本ラグビーを盛りあげる道のはずです(ワールドラグビーのピチョット副会長が、外国での代表資格獲得までの年数を3年から5年に延長することを提唱したのは、そういう国産選手をより使うべきだという趣旨だったはず。外国の有望選手を若いうちから呼び寄せようというのは完全な逆行です。やってるのは日本だけではありませんが…)

ともあれ、大学選手権改革私案、検討してもらえないものでしょうか……。

 

書くこといっぱいあってふれられませんでしたが、ドバイで活躍した男女セブンズのみなさんお疲れ様でした!

特に、女子の部で優勝したセブンズデベロップメントスコッド2のみなさん、優勝おめでとうございます!

また、この大会にクラウドファンディングで得た資金も活用して参加、強豪南アフリカを破る金星もあげたアルカス熊谷のみなさんもお疲れ様でした!日本女子の存在感をがっちりアピールしたドバイ大会でしたね!

ワールドシリーズの男子はチャレンジトロフィー13位以下戦でケニアに勝ち、ウェールズに負けて14位で大会を終了。厳しい日程の中で奮闘した選手のみなさんお疲れ様でした。そしてワールドシリーズ第2戦の南アフリカ・ケープタウンへと転戦するみなさん、健闘をお祈りしております!

 

 

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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