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【花園準決勝】

 

5日は全国高校ラグビー準決勝の取材で花園へ。

 

1日の3回戦、3日の準々決勝は東京でチェックしていましたが、すごい試合の連続でした(敗れた天理も常翔も報徳も北陽台も素晴らしかった!)

 

そしてこの準決勝。ここから花園はまた次のステージに入るんですね。いわば優勝をかけたファイナルステージ。

 

そこで実現した試合のひとつが、宿命のライバル同士と表現していいでしょう、

桐蔭vヒガシ。

今回も凄い試合でした!

序盤は桐蔭学園が17点を先行。

そこに東福岡は、2年生の豪脚WTB志氣陸王選手の爆走を皮切りに次々とトライを奪い、易々と追いつき、ひっくり返し、後半7分には31-24と逆転します。

 

対する桐蔭学園もすぐに反撃、後半10分にFL渡邉選手のトライなどで追いつきます。

スコアは31-31。この数字は?

2010年度、両校が引き分け両校優勝したときのスコアじゃないですか!

この数字が並んだ時点で、 僕はちょっとうるうるしてしまいました(^^ )

 

今季の桐蔭学園の選手たちは、小西主将はじめ、誰もが「桐蔭ファミリー」という言葉を使いますが、僕から見ても、松島選手や竹中選手や小倉選手や堀越選手や横山選手や山本選手や齊藤選手や細木選手や……歴代の桐蔭の選手たちの姿がいまの選手たちの姿に重なってしまいました。

もちろん、同時に、東福岡のモスグリーンのジャージーにも布巻選手や藤田選手や木村選手や福井選手などOBも重なって見えました。


試合は結局、桐蔭学園が46−38で勝利しましたが、戦いはともに素晴らしいアタックの応酬。60分が本当にあっという間でした。

U18同士でここまで成熟したゲームメーク、判断ができるのかと本当に感心しました。両チームの戦った全員、このチームに関わった全員に感謝して、賛辞を贈りたいと思います。

もう1試合、第1試合の大阪桐蔭v流経柏は、柏がちょっと疲れ気味に見えました。

準々までの組み合わせも超タフだったし、それも含めて、初めての準決勝、4試合目を戦うのは、チームとして未体験ゾーンだったのでしょう。その中で、パワフルな大阪桐蔭を相手に前半は先制トライを奪い、突き放されても2点差まで迫った戦いぶりは本当に立派でした。

葛西拓人主将は「日本一だけを目指していたので、チームの誰も満足していません」と話しました。

「あそこでああしていれば…」という思いはっきっと残るでしょうが、この経験は間違いなくチームの財産になったはずです。本当にお疲れ様でした。

振り返れば、どのチームもこのカベで苦しんで苦しんで、苦しみ抜いて、そこを突き抜けたチームだけが頂点にたどり着いています。その意味で、どうぞこの苦しみをエンジョイしてください!

ロッカールームに戻ると、泣きじゃくる選手たちに相亮太監督は

「ここでは泣くな、胸を張れ。泣くなら一人で泣け。

ここでは日本一になれなかったけれど、大学、社会人になって、日本一になって、日本一になったら、その景色がどんなだったかを、感想を、オレに教えてくれ」

と話しかけたそうです。

そして、自分たちの涙も乾かないまま、シャワーも浴びないままのジャージー姿で、第2試合に臨む桐蔭学園の選手たちを、花道を作って送り出しました。

 

これは間違いなく、桐蔭学園の選手たちの力になっていたと思います!

 

花園の高校ラグビーはやっぱり面白い!

 

さて7日の決勝は桐蔭学園vs大阪桐蔭のトーイン対決。大阪桐蔭は昨年に続く2度目の決勝進出での初優勝というスピード記録を目指します。他チームが何度も何度も跳ね返されてきたカベを、一度だけで飛び越えるという偉業を達成できるでしょうか?

それとも桐蔭学園が、これまでチームで重ねてきた経験を活かして、初めての単独優勝を勝ち取るでしょうか。

 

とてもとても楽しみです!

 

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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