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【清宮監督退任会見】

29日はヤマハ発動機ジュビロを8年間にわたって指揮した清宮克幸監督の退任会見がありました。

清宮さんは2009年度でサントリー監督を退任し、1年間の充電を経て2011年にヤマハ監督に就任。以来8シーズン指揮を執り、2014年度には日本選手権優勝を飾りました。清宮監督就任前のヤマハは、リーマンショックに伴う業績悪化を受け、強化体制を縮小。主力選手が大量流出し、部員が減少。一気に弱体化していました。

「だけど、それが4年目の日本一に繋がったんです。中心選手がごっそり抜けたことで、若い選手が出て行くことができた。彼らが中心選手になって、2014年度の日本一が達成できた」

ということを引き合いに出して「今回、中心選手が大勢引退・退部したことも、堀川監督が新しいヤマハを作るにはいいんじゃないかな」と話しました。

原生林(天然林)では、古い大きな木が倒れると空間が空いて、太陽が地面まで届くようになって新しい若木が育ち、その若木の中で最もよく育った者が大木となっていくという話を、よく自然もののテレビで見たなあと思い出しました。

 

清宮さんの思い出話は尽きません。

僕も駆け出し記者の時代に学生だった清宮さんを取材していたし、そのときから底知れない凄い人だなあと思っていましたが、この日、会見の後の囲み取材で、清宮さんは「もう監督はやらない」と発言。かつては熱望していた日本代表監督についても「もうない。時が過ぎた」と話しました。

清宮監督が早大の監督になったのは2001年、34歳のときでした。

指導者のスタートとしては決して遅かったわけではありません。

そこから早大で5年間監督を務め、対抗戦5連覇、大学選手権3度の優勝。申し分のない成績です。

その後、2006年度からサントリーの監督を4年間務め、2007年度にトップリーグ初優勝を達成。

2011年度からヤマハ監督に転じ、ここでは8シーズン指揮を執りました。早大、サントリー、ヤマハと3チームを率いた中で、ヤマハが最も長かったのはちょっと意外な気もします。だけど、インターナショナルのコーチ経験を積めないまま50歳になってしまったのは、ちょっと不運だったというか、時代が合わなかったのかな。サンウルブズとか、スーパーラグビーの監督を経験してほしかった気もします。そこで経験と実績を積めば、日本代表監督の候補になる……というような。でも日本の環境でそれを望むのは難しいだろうなあ。

 

ヤマハの本拠地磐田市は、人口約16万。トップリーグのチームでは決して多い方ではありません。東西の大都市からも離れている立地のこともあり、大学のトップ選手はなかなか来てくれない。その中で、限られた戦力で、それぞれの強みを活かして、やりくりして、上位チームに挑む。それが最も上手くいったのが2014年度の日本一。

「この日本一は、多くのトップリーグのチームに『オレたちだってできないことはない』と思わせたと思いますね」

――地方都市に本拠を置くチームの難しさ、良さ、何かありましたか? と聞くと

「メディアが近い。地元のテレビ局、新聞社が、すごく細かい情報を県内のファンに届けてくれる。都市圏のチームではありえない。弱みは……言い出せばいっぱいあるけど(笑)。地方のチームの方が、ファミリーは作りやすいです」

その言葉、励みにできるチームはいっぱいあると思います!

 

何はともあれ、お疲れ様でした!

 

【女子チーム「アザレアセブン」発進!】

その清宮監督の新しいチャレンジです。

ワールドカップ開催地のひとつである静岡・エコパスタジアムを拠点に「女性とこども」に特化した総合型スポーツクラブ「一般社団法人スポーツクラブ」を設立して自身は代表理事に就任。そのアクションの第一弾として、女子セブンズチーム「アザレア・セブン」が発足しました。

選手の雇用については、外国人選手を含めたプロ選手を雇用する枠、地元企業などに雇用してもらうセミプロ枠を用意、選手枠が何人分あるかはまだ決まっていないそうですが、「20社以上に、雇用していただける話は了解していただいています」

 

監督は、自身も静岡県出身の小野澤宏時さん。実は昨春から家族で静岡に戻ったそうです。

「僕、長男なんです。こう見えて、実はいろいろ考えているんですよ」

現在は、(^羝セブンズ代表チームの選手 J1清水エスパルスのアスレチックアドバイザー ブリングアップ・ラグビーアカデミー講師 だ轍県教育委員/静岡県ラグビーW杯スペシャルサポーター という4足のわらじをはいていた小野澤選手ですが、これで5足目になるのかな。

 

そのアザレア・セブンは、3月3日(日)に、エコパ補助競技場にて、チーム立ち上げに際しての選手募集・トライアウトを行うそうです!

参加条件は18歳以上(高校卒業見込み以上)の健康な方、ラグビー経験は不問(他に、片道何時間で練習に参加できること云々がありますが、それらは熱意でクリアできそうです)

トライアウトでのテスト種目は

・50m走 ・反復横跳び ・リピートスピード20m、40m、60mシャトル

・ハンドリングゲーム ・ウエイト測定 ・足の形状(甲高)測定 ・面談

となっております。

エントリー締め切りは2月22日(金)12時です。

こちらのアドレスからどうぞ。

https://www.azalea-sc.com/tryout/index.html

 

実は、このトライアウトが行われる3月3日は、女子15人制ラグビーの国内最高の大会が行われる日ともろ被っています。それを問うと

「今回は、他競技からの転向者などを想定しています。また、大学などのトップチームでプレーしていて、私たちのクラブに興味を持ってくれる選手がいたときは、随時合同練習参加などの形をとって対応したいと思います」と小野澤さん。

ちなみに、現在入団が内定しているのは「外国人選手が一人。ヤマハのタヒトゥア選手の奥さんです」と清宮さん。

実は、タヒトゥア選手の奥さん、アシュリー・ヴァシ・モアラ=タヒトゥアさんは27歳、NZのオークランド州代表などに選ばれた経験のある有能な選手なのだそうです。

 

全国各地で女子ラグビーに力を入れるチームが増えてきたのは嬉しいことです!

 

アザレアセブンの未来に期待します!

 

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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