ツールドラグビートップへ

 

【ウルフパック&サンウルブズ】

4月第1週もいろいろ盛り沢山でした。

 

5日は、NZに遠征中の、日本代表候補による「ウルフパック」が、ダニーデンでハイランダーズBと対戦。46-21でみごと勝利しました。映像を断片的に見ましたが、松島幸太朗選手のキレキレのプレーは見事ですね!

堀江選手の80分フル出場も嬉しいですね。

 

6日はサンウルブズがメルボルンでレベルズと対戦。こちらは前節のワラタズ戦に続き連勝を狙いましたが、12-45で敗れました。

スーパーラグビー、やっぱり厳しいですね。

ただ、今年のサンウルブズの位置づけを考えたら相当よく戦っていると思います。

前節3トライのマシレワ選手はこの日も左隅でのスーパートライを含む2トライ。ただいまサンウルブズ最多の5トライでトライランキング6位タイ。トップのマドックス選手とは2差です。

 

そしてSOパーカー選手。この日は2本目、左隅からのコンバージョンを惜しくも失敗。今季初めてのキック失敗となりましたが、この人の素晴らしいところは尾を引かないこと。この日も3本目のキックは(イージーな位置でしたから当然ですが)問題なく成功。次のキック連続成功がスタートしました。

今回は、昨年のワラタズ戦から数えて33連続成功。

今季のキック成功率はただいま30回蹴って27回成功の成功率・967です!

得点ランキングは3位。

サンウルブズ、今週はBYE。1週休んでリフレッシュしたら、次は秩父宮シリーズ。

4月19日(金)のハリケーンズ、4月26日(金)のハイランダーズ戦、ともに19時キックオフのナイトゲームです!

 

【桐蔭学園3連覇おめでとう!】

僕は今回、国内居残りとなったので、先週は熊谷ラグビー場で全国高校選抜ラグビーを連日取材しておりました。

7日に行われた決勝は、桐蔭学園が御所実を29-19で破り大会3連覇を達成しました。

みごとな戦いでした!

 

桐蔭学園は立ち上がり、0-14とリードされても全然焦らない。

前半は何度もジャッカルされたけれど、しっかりと修正。ブレイクダウンではボールに行き過ぎずにクリーンアウトで大きくターンオーバーを勝ち取る。

そこからはボールを動かしながら、選手がその場その場の状況に応じて判断して攻撃を継続する。

準決勝の京都成章戦といい、この決勝の御所実戦といい、相手の重く強いFWに苦しむ時間帯は多かったですが、まったく動じない落ち着いた戦いぶり。メンタル面の成熟度を感じる試合でした。

この試合で桐蔭学園は相手ゴール前に迫ると徹底してFW勝負。展開攻撃を封印して、ピック&ゴーを繰り返していましたが、SO伊藤大祐主将は「まだ春だし、武器を作る段階。FWに行かせて自信をつけさせたかった」と話しました。含蓄のあるコメントだなあ。

NO8佐藤選手とLO青木選手、FWの2年生2人はこの大会を通じて、力強いランニングで大活躍。そして、ラインアウトで再三相手ボールを奪ったLO安達選手、準決勝の京都成章戦で逆転サヨナラのトライをあげた久松選手……この正月までは控え組だった選手たちの活躍も印象的でした。桐蔭学園は今年も楽しみなチームです。

敗れた御所実も、積極的にチャレンジしていました。序盤のディフェンスからのジャッカルの速さ、そこからカウンターアタックへの全員の反応の良さはみごとでした。

逆転された後も、前日の準決勝ではFBで豪快なランニングをみせていたWTB石岡選手がみごとなトライで追撃。PRのイメージを一新させる走力とパススキルをみせた3番の島田選手とともに、大会ベストプレーヤーのひとりとして記憶したいです。

 

御所のPR島田選手は準決勝の天理戦の後半、相手CTBをトライ寸前でタッチへ押し出すスーパータックルを決めてチームを決勝進出に導きました。僕の選ぶ大会ベストタックルです!

 

激走あり好パスありの天理の3番、中山選手も印象的な活躍でした。

しかし、奈良県から2チームが4強に残るってすごいなあ。

今季はワールドカップに話題が集まりそうですが、高校ラグビーも魅力的なストーリーがたくさんある、楽しみなシーズンになりそうですね!

 

【男女セブンズ@香港】

そして香港で戦っていた男女セブンズ。

 

女子のサクラセブンズは、コアチーム昇格大会の準決勝でスコットランドに惜しくも敗れてしまい、昇格はなりませんでした。東京五輪前の1年間、世界のトップと対戦するチャンスがこれでほとんどなくなってしまうわけで、とても痛い敗戦でした。

選手の皆さんは悔しい思いをしていると思います。

ただ、気になるのは、あまりにもケガ人が多いことです。

大会の前から戦列を離れていた選手たちは戻れず、大会直前の合宿、遠征でもケガ人が続出しました。ここまで重なると、ケガも「運」とか本人の「ケア」とか「不注意」の問題とは思えません。

いまのサクラセブンズの選手たちは、太陽生命シリーズの大会にもほとんど出場せず、計画的な強化を最優先されてきました。試合経験を積むチャンスを逸してきたわけですが、残念ながら、この春はそれを結果に繋げることができませんでした。中には、本当はもっと休んだ方がよさそうなケガなのに、ぶっつけ本番で復帰した選手もいたようです。

 

女子ラグビーでは若手の有望選手がどんどん育っています。五輪種目採用が決まり、強化の予算がたくさん投入された恩恵を受けて育った世代が今の高校生、大学生です。もちろん、世界と戦うにはフィジカルの強化は避けて通れませんが、フィジカルの強化とは、ケガをさせないことも含むはず。

 

帝京大の岩出監督は、以前、「今年は絶対に強い」と自信を持っていた学年のチームが、シーズンの山場にケガ人が相次ぎ、早々に敗れてしまった苦い経験から、徹底してケガ人を減らすこと、そのために練習の負荷をコントロールすることを始めたところ、間もなく初優勝したと話していました。そして9連覇が始まったわけです。

 

猛練習で選手を追い込むイメージが強いエディーさんも、試合が近づくと強度は高く保ちながらでも練習の時間を短くして、負荷をコントロールしていました。15年ワールドカップのとき、ケガで大会を逃した選手はいませんでした(選手たち自身は限界近くまで消耗していたと思いますが…パフォーマンスは素晴らしかったですもんね)

 

女子は来年、東京五輪本番と、21年の15人制ワールドカップ予選の両方を戦わなければなりません。2つの大会に向けて並行して準備することになるし、試合でのアクシデントはどうしたってありえる。だからこそ、選手層の厚さが必要になる。貴重な戦力に、練習でケガさせていては本末転倒です。女子の強化プランが今後どうなっていくのか、注目していきたいです。

(ケガ防止ということでいえば、選抜大会のプール戦もかなり問題があるなと思いました。プール戦最終日まで4日間で3試合、いったい何台の救急車が来たことか…日程改善を強く望みたいです。重大事故が起きる前に)

 

男子は、目標だったベスト8進出は逃しましたが、チャレンジトロフィー(9位以下戦)でウェールズに38−7、ケニアに21−12で勝利。最後、9/10位決定戦ではスコットランドに敗れ、10位に終わりましたが、コアチーム残留を争う2チームとの直接対決に勝ち、ウエールズには1ポイント逆転して14位に浮上しました。シリーズランキングはこちらから。

https://www.world.rugby/sevens-series/standings/mens

セブンズの大黒柱・坂井選手やトゥキリ選手、セブンズ代表に復帰した藤田選手、今最もインパクトのあるセブンズプレーヤーとなったリサラ選手、初めてセブンズ代表入りしたマイケル・バートロケ選手……役者も揃ってきた感じですね。今年のワールドセブンズ、残るはシンガポール、ロンドン、パリの3大会。何とか残留を。だけではなく、ひとつでも多くの大会で上位進出を。

そして来年の東京五輪に向けて、良い流れを作ってほしいです!

 

JUGEMテーマ:ラグビー

 

日本ラグビーの今が読めるラグビー専門ウェブマガジン


  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

    月別アーカイブ

    書籍紹介

    バックナンバー

    サイト内検索

    links

    others