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【トップリーグカップ】

トップリーグカップ2019が22日、開幕しました。

2003年のリーグ設立以来、初めての「春の大会」。

告知不足、開催会見もなし、選手名鑑もどこにもなし……いろいろとツッコミどころ満載の大会ですが、ワールドカップを控えているゆえの変則日程でアリ、それゆえのおもしろみも。

ということで、江戸川陸上競技場で行われたクボタvsコカコーラへ向かいました。

 

この試合は、クボタスピアーズと東京都ラグビー協会の共同企画として、ラグビー体験会や屋台村、みどころ講座などいろいろな企画満載で行われました。

 

各地で9試合が行われた中で、この試合を選んだのは、立川理道選手がいるからです。日本代表の宮崎合宿から外れ、サンウルブズで南アフリカからアルゼンチンへとまわる世界一周ツアーへ行きながら2試合とも出場なしで帰国、そこから中3日でこの試合にリザーブ入りしました。

 

どんなプレーを見せてくれるかと思ったのですが……さすがでした。

後半10分にピッチに入ると、最初のプレーでタックルからターンオーバー。

そこからボールを持てば流れずに前進してボールを活かし、スペースを作る。

クボタは前半はコカ・コーラの粘りに手こずり、立川選手が入ったときは17−7、トライ数は2対1というイーブンな展開でしたが、そこから残り30分間はトライ数4対0。

立川選手自身は豪快にビッグゲインしたり、かっこいいキックパスを通したり、派手なプレーは全然しないけれど、立川選手が入るとゲームの流れが良くなるんです。

良い司令塔って、万国共通、そうなんですよね。

2015年のジャパンをリードした小野晃征選手、昨年の神戸製鋼を優勝に導いたダン・カーター選手……立川選手は背番号「12」のセカンドファイブだけど、チームを勝たせるプレーをするチームマンであり司令塔であり、すぐれたコミュニケーション力を持つリーダーだなと改めて感じました。

試合後、残り3ヵ月を切ったワールドカップに向けて、自分をどう位置づけているかを聞くと「今はクボタに100%コミットします。ここで良いパフォーマンスを市内と、何かあっても呼んでもらえない。そして、もしも呼んでもらえたときがあったら、そこでいいパフォーマンスを出せるようにしっかりと準備しておく。呼ばれるとしたら、チームが苦しい状況になってるときですから」

 

「呼ばれるとしたら、チームが苦しい状況になってるときですから」

という言葉にシビれました!

現在、自分が評価されていないときでも、自分が評価されるときがくるとしたらどういうときなのか、そのとき自分は何が求められるのか。そこまで頭を巡らせている…ホントにすごいなあ。

 

サンウルブズの地球一周ツアーから帰国したのは火曜の朝。そこから自宅によって荷物を置くと、すぐにクラブハウスへ向かい、練習に合流したそうです。

「こどもは『帰ってきたばかりなのにまた行っちゃうの?』ってびっくりしてましたね(笑)」

W杯まで3ヵ月を切りましたが、立川選手の出番、活躍する場所はきっとあるだろうな…そう思わせるパフォーマンスでした。そのためにも、このあとのトップリーグカップで、いいプレーをたくさん見せてほしいです。

クボタスピアーズ、次の試合は29日(土)、秩父宮で、相手は……ありゃ、釜石シーウェイブスだ!

 

トップリーグカップの結果です。

ヤマハ発動機 62−12 九州電力 (月寒)

ホンダ 33−3 栗田工業 (熊谷)

パナソニック 31−29 日野 (熊谷)

NEC 43−12 マツダ (秩父宮)

サントリー 88−5 清水建設ブルーシャークス (秩父宮)

クボタ 43−7 コカコーラ (江戸川)

リコー 36−14 豊田自動織機 (瑞穂)

神戸製鋼 22−14 近鉄 (和歌山・紀三井寺)

 

パナソニックを日野が、神戸製鋼を近鉄が、かなり苦しめたようです。

苦しんだパナソニックですが、勝利を引き寄せたのはルーキー竹山選手。

4C1P、すべてのキックを決めて、SOクリップス選手が1ゴールだけ外した日野を、その2点分だけ上回ったわけです。

日本代表候補や外国代表のトップ選手が不在の中で始まったトップリーグカップですが、みどころはありますね。

そして、同時に、日本代表やサンウルブズとは切り離してもトップリーグは十分に存在価値を、存在意義を、持てるだけのリーグに成長しているんだなあと思いました。

 

来週発足する日本協会新執行部には、自分たちの価値をしっかり上げていくことを期待したいです!

 

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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