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女子7人制ラグビーの頂点を争う国内サーキット、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2019が29−30日に行われた最終第4戦富士山裾野御殿場大会で全日程を終了しました。

富士山裾野御殿場大会は、大会2日目の30日、会場の裾野市運動公園陸上競技場が朝から濃霧に覆われ、グラウンドの半分も見通せない危険な状況となり、いったんは30分遅らせて実施する可能性を探りましたが、晴れる見込みがなく、午前9時20分過ぎ、中止が決まりました。

霧の中、キャプテンフォトのみは実施しました

 

エリスカップのトロフィーツアー。全チーム選手と記念撮影

 

そしてレフェリーチームも。ゴキゲン!

 

最終戦の獲得ポイントは、決勝トーナメントに進んだ8チームには、1位から8位までが獲得するポイントの合計104を8等分し、全チームに13ポイントを加算。チャレンジトロフィー(9〜12位決定戦)に進んだ4チームには、同様に9〜12位に与えられるポイントの合計10点を4等分し2.5点ずつを加算して最終ポイントを確定させました。

最終順位は以下の通りです。(丸数字は大会、後ろの数字は当該大会での獲得ポイント)

 

1位 ながとブルーエンジェルス 69 。横亜´■隠供´20 ぃ隠

2位 アルカス熊谷        63 。隠供´■隠検´16 ぃ隠

3位 三重パールズ        61 。隠粥´■横亜´14 ぃ隠

4位 東京山九フェニックス   49 。隠押´■隠押´12 ぃ隠魁

5位 横浜TKM          47 。隠検´■検´8 ぃ隠

6位 RKU龍ヶ崎グレース    47 。隠亜´■隠粥´10 ぃ隠

7位 日本体育大        39  。押´■供´18 ぃ隠

8位 自衛隊体育学校PTS   27 。供´■粥´4 ぃ隠

9位 北海道ディアナ       22.5 。粥´■隠亜´6 ぃ押ィ

10位 追手門学院VENUS    16.5 。検´■魁´3 ぃ押ィ

11位 横河武蔵野アルテミスターズ 9.5 。魁´■押´2 ぃ押ィ

12位 チャレンジチーム        5.5 。院´■院´1 ぃ押ィ

※5位と6位はポイント同点のため、全体会の総得失点差で決定。

 

大会終了後に行われた年間表彰式では、年間順位が発表され、3位以上の3チームが表彰されました。

 

3位 パールズ

 

2位 アルカス

 

そして総合優勝、ながとブルーエンジェルス!

 

続いて、年間MVPが発表されました。

というか、僕から発表させていただきました。

というのも、今大会では年間MVP選考委員会を発足させて決定したのですが、僕が選考委員長を拝命したのです。2014年の大会発足から継続して取材していることを認めて頂いたということで、ありがたく拝命いたしました。といっても、もちろん、僕だけで決めるわけではありません。

選考委員の構成は、主催者の日本ラグビー協会(トーナメントディレクターの荻窪宏樹さん、記録担当の佐藤克則さん)、大会オフィシャルスポンサーの太陽生命さん、ラグビーマガジン編集長の田村一博さん、そして僕、東京中日スポーツ記者でRUGBYJapan365スーパーバイザーの大友信彦の5人。各大会のMVPが10ポイントを獲得し、選考委員が各10ポイント、選考委員長を仰せつかった大友が20ポイントを自由に投票し、その得票に基づいて決定されました。

以下に、選考過程をご報告いたします。

 

選考委員会で年間MVP候補にリストアップされたのは、まず各大会のMVP獲得者。

 

【秋田大会MVP】タイシャ・イケナシオ(ながとブルーエンジェルス)

秋田大会で大会トライ王となる14トライをあげ、ながとブルーエンジェルズの大会初優勝に貢献。シーズン初戦に初優勝を飾ったことで、新興チームのながとブルーエンジェルスが総合優勝を勝ち取る流れを引き寄せた。シリーズ合計27トライは全体2位。合計132得点は全体3位。
 

【東京大会MVP】保井沙予(三重パールズ)
パワフルなランニングで東京大会で7トライを量産。決勝は後半に負傷退場したが、それまでの骨惜しみないパフォーマンスで大会MVPを獲得した。出場したのは2大会ながら13トライは全体トライランキング8位に食い込んだ。

 

【鈴鹿大会MVP】ヘーゼル・トゥビック(ながとブルーエンジェルス)
女子セブンズニュージーランド代表ブラックファーンズ主将のキャリアが来日2シーズン目で爆発。鈴鹿大会では厳しいコンタクトに加え自在のキックパスでも勝利に貢献した。「ホームパーティを開いてくれたり、去年よりも優しくなった。そんなヘーゼルのためにも優勝したかった」とはチームメートの評。144得点は全体の2位。

 

今大会の特徴として、接戦が多かったことがあげられる。決勝は3大会とも終了直前までどちらが勝つかわからない激戦。ほんのわずかなボールの弾みや風、グラウンドコンディション、微妙な判定などに左右された部分もあった。惜しくも優勝には届かなかったものの、ギリギリまで優勝に迫った3チームから、準優勝した大会だけでなくすべての大会で高いパフォーマンスをみせた3選手。

 

平野恵里子(YOKOHAMA TKM)

秋田大会では6トライをあげ、チームを太陽生命シリーズ参戦6年目で初めての決勝進出に導いた。昨年は半年間のオーストラリア留学を経験。帰国から約半年、国内で経験を血肉化したことで1対1の強さ、勝負に出る感覚が研ぎ澄まされ、フィニッシャーとしてのすごみを増した。シーズン合計17トライは全体3位タイ。

 

鈴木彩香(アルカス熊谷)

7人制、15人制とも長く日本の女子ラグビーを支えてきたベテランは、東京大会の途中で「ラグビーやってて初めて」というWTBにチャレンジし、フィールドの外側からゲームメークするという新境地を開拓。東京大会決勝のパールズ背ンではで延長戦突入直前まで同点という激戦の主役に。かつて個々のフィジカルの強さで黄金時代を気付いたアルカスが、ボールをワイドに動かすスタイルで再びの頂点を目指す戦いをリードして大会を盛りあげた。

 

高崎真那(日体大女子)

昨年の総合優勝から一転、今季初戦の秋田大会では11位というまさかの低迷スタートとなった日体大を、FW兼BKのマルチプレーヤーとしてフルタイムで活躍。鈴鹿大会では4年生が教育実習で軒並み欠場する中、優勝目前まで牽引した。

 

決勝に進んだチームから、もうひとり

藪内あゆみ(ながとブルーエンジェルス)

豊富な運動量でながとブルーエンジェルスを総合優勝に牽引した。鈴鹿大会決勝前半ロスタイムに自陣からカウンターで走りきったトライなど、互いが疲労した時間帯に走りきれるフィットネスは大会を通じて光った。

 

そして、決勝には進めなかったチームでもとびきりの光を放った選手がいた。

原わか花(東京山九フェニックス)

出場3大会で17トライ。そのほとんどが、自陣から猛加速とキレキレステップを武器にロングレンジを走りきったみごとなもの。今季の太陽生命シリーズで最も多くのファンに大声をあげさせた選手と言い切っていいだろう。鈴鹿大会ではあえてベンチスタート。互いが疲れた後半途中にピッチに投入されるインパクトプレーヤーとして別次元のスピードを披露した。

 

ハーヴィー・マガリ(東京山九フェニックス)

腰を落とした独特のフォームから繰り出す正確なコンバージョンキックで得点を重ねた上に、次のキックオフでも正確なキックでボール再獲得に貢献。4大会合計116得点は全体4位。キックに加え読みのいいサポートランで4大会合計12トライは全体8位タイ。

 

鹿尾みなみ(RKU龍ヶ崎グレース)

グレースのキャプテンとして、責任感あふれるタックルとコミュニケーション力、強気のデシジョンメークが光るアタックとフルタイムで活躍。昨季まで2年連続総合10位だったグレースを総合6位に引き上げた。4大会合計16トライは全体5位タイ。

 

ニア・トレバー(北海道バーバリアンズディアナ)

バネの効いた特大ステップで相手を外し、タックルを浴びてもブルドーザーのようにひきずり、抜け出せば誰も追いつけない猛加速でゴールラインにまっしぐら。アメリカからNZへ留学したときに「女ジョナ・ロムー」と呼ばれたのも頷ける。4大会合計30トライは昨年のジャンナ・ヴォーン(三重パールズ)の29トライを更新する太陽生命シリーズ新記録。それも、4大会中2大会はチャレンジトロフィー、うち1大会は2日目中止という試合数が少ない中での記録だけに価値は重い。合計150得点も最多で、みごと2冠を達成した。

 

以上11選手がリストアップされた中で、年間MVPには、秋田大会でながと初優勝に大きく貢献し、チームのステージを一段引き上げ、実際に最も多くの票を集めたタイシャ・イケナシオ選手が選ばれました!

 

改めて、MVPに輝いたタイシャ選手、候補になった10選手、そして4大会120試合で全力パフォーマンスをみせた全選手に深くリスペクトを捧げると同時に、来年も素晴らしい大会を期待します。また、休みなく15人制日本代表候補合宿に合流する選手のみなさんも7月のオーストラリアとのテストマッチに向け活躍を期待します。

 

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ 歴代年間MVP

2014:制定なし

2015:小出深冬(アルカス熊谷)

2016:福島わさな(追手門学院VENUS)

2017:中村知春(アルカス熊谷)

2018:山本 実(日体大女子)

2019:タイシャ・イケナシオ(ながとブルーエンジェルス)

 

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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