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【関東大学オールスター】

7日はスクラム釜石バーバリアンズの菅平遠征・不惑大会を早退して帰京。

秩父宮で初開催された関東大学オールスター戦の取材に駆けつけました。

 

この試合は、昨年度から始まった関東大学春季リーグの総決算として、対抗戦選抜vsリーグ戦選抜という顔合わせで組まれました。

 

試合は前半、対抗戦が最高の入りを見せます。

開始4分、相手陣のPKをSH流大選手が速攻して、早大FL金正奎選手がつなぎ、今夏のジャパン菅平合宿に招集された帝京大2HO坂手淳史選手のトライで対抗戦が先制。

9分には早大の金選手が、12分には筑波大WTB竹中祥選手も右隅へ。

 

そして22分、この日の秩父宮を湧かせたビッグプレーが飛び出します。

ハーフウェー付近でボールを持ったのは背番号15、対抗戦Bグループからただひとり参加した立教大FB中澤健宏選手。相手タックルを突き抜け、飛び越え、相手ゴール前までビッグゲインして、慶大主将のCTB宮川尚之選手のトライにつなげます。

 

対抗戦はさらに、PR森川由起乙選手−SH流選手の突進で相手杯タックルによりペナルティトライ。330と大きくリードして折り返します。

 

後半も対抗戦ペースは変わらず。

3分に大活躍の早大FL金選手がトライ。

9分には明大WTB小澤和人選手がトライ。

12分にはこの日突如ブレイクの立大FB中澤選手が自らトライ。

そして17分には、筑波大WTB竹中選手の爆弾タックルが相手ノックオンを誘い、そのまま帝京大CTB牧田旦選手がトライ。

対抗戦が55−0まで差を広げます。


 

しかし、ラスト20分になってリーグ戦が意地を見せます。

24分、大東大PR高橋洋丞選手が、直前のプレーで顔面から流血しながら気迫のトライを返すと、リーグ戦勢がスイッチオン。

(顔面流血したままトライした高橋選手!水をかけてる場合じゃないです…)

28分には東海大WTB石井魁選手が自陣から80mを走りきる豪快トライ。さらに拓大WTB山谷大樹選手、東海大WTB近藤英人選手がトライを重ね、最終スコアは5528。見応えのある熱戦でした。


(この日、バネの効いたステップで再三ゲインしたリーグ戦の流経大CTB合谷選手。ジャージーが脱げてしまうのもステップキレキレの副産物?)
 

勝利チームには、特別賞として「吉野家の牛丼1年分」がプレゼントされました。


これはどう分けたのか?気になりますよね、当然。もちろん会見で、最初の質問で聞きました。

「昨日のうちに、チームのMVPに全部あげて、チームに持ち帰って分けてもらうことに決めて、ミーティングで話しておいたんです」と対抗戦選抜の指揮をとった岩出監督。

岩出監督が選んだチームMVPは、FL金選手(早大)でした。

つまり、牛丼1年分は早大が総取り!


(試合中のこの笑顔、MVPを確信していたのか?)
 

さっそく、ファンクション会場で金選手に聞きました。

「MVPが全部もらえると昨日から言われていたので、取れたらいいな、と思ってましたが……(呼ばれたときは)感無量でした」と笑顔笑顔。

1年分(おそらく365食か、そのくらいと思われます。受賞本人も正確には知りませんでした)の分け方を尋ねると

「やっぱ平等に分けますかね。あ、でも……体重の軽いヤツに重点的に配ろうかな」

今シーズン、早大で大型化した選手がいたら、金選手の獲得した牛丼券のおかげかも?

 


(ファンクションでの乾杯!金選手が帝京大勢からMVPを祝福?されていました!)
 

その金選手にこの試合の感想を聞くと「他のチームの選手と一緒に試合する機会はなかなかないので、新鮮だったし、いろんなヤツの凄いところが分かって楽しかった」

たとえば?と聞くと

「立教の中澤。あんな凄いヤツがいるとは全然知らなかった」

 

この日、相手タックルを突き抜け、飛び越え、パワフルな突破を繰り返してブレイクした中澤選手は、埼玉・所沢北高から一般入試で立大観光学部に進んだ4年生。181cm89kgの雄大な体躯に精悍な表情。試合後、報道陣にも公開されたファンクションの会場で話を聞くと、ラグビー歴は高1から。そして進路は……某メガバンクのフィナンシャルグループに内定しているそうです。

この日の活躍で、トップチームからも誘いがくるんじゃない?

と聞いたのですが「いえ、もともと金融関係に興味があって、就職活動をしていく中で、改めてそう思ったので」

とはいえ、観戦していた協会関係者からも「もったいないよね」「きっと誘うチームも出てくるよね」なんて声が聞かれました。サントリー小野澤宏時選手は別格としても、東芝の大野均選手、元NECの川合レオさんなど、大学時代は下部リーグで無名ながら日本のトップ選手にのし上がった選手はたくさんいます……。

ラグビー界に突然現れた超新星には、これからどんな運命が待っているのでしょう?

とりあえず、対抗戦Bグループの観客が増えるかな?

 

ベストトライ賞はリーグ戦が東海大WTB石井選手、対抗戦が慶大CTB宮川選手、
(宮川選手のトライは、実質中澤選手が作ったトライでしたね…)
賞品のバッグを提供したカフスさん、試合を盛り上げた女子大生のみなさんに囲まれてゴキゲンでした!

対抗戦選抜の岩出監督、リーグ戦選抜の木村監督とも、口を揃えたのが
「花試合にしないため、ディフェンスをしっかりやろうと話しました」
ということ。
指揮官の言葉どおり、スコアとは違って引き締まった試合でした。
最近は学生東西対抗や、来日チームと対戦する関東学生代表などもなかなか結成されなくなっただけに、コンバインドチームの経験は貴重だったようです。
選手たちも、この新鮮な経験を歓迎していた様子でした。
有意義な1日でした!

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  • プロフィール

    20110608-otomo.jpg

    大友信彦
    (おおとものぶひこ)

    1962年
    宮城県気仙沼市生まれ


    早稲田大学第二文学部卒業。
    1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』で活動。
    '87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

    ラグビー専門ウェブマガジンRugbyJapan365スーパーバイザー。

    『再起へのタックル』(洋泉社)
    『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)
    『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)
    『釜石ラグビーの挑戦』(水曜社)

    など著書多数。

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